2023年12月25日
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三百字小説『墓ずきんちゃん』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 町一番の美少女は頭巾に墓があしらってあった。

 あの墓は誰の墓だろうとみんなが噂をした。

 そして付いたがあだ名が墓ずきんちゃんだった。

 ある日、一人の男が思いきって質問した。

 「その墓は誰の墓ですか? 死んでしまった好きな人の墓とか?」

 墓ずきんちゃんは答えた。

 「誰の墓でもないの。私は墓が好きなの」

 墓ずきんちゃんはただの墓好きだった。

 その日から、墓ずきんちゃんのあだ名は、墓好きちゃんに変わった。

(遠野秋彦・作 ©2023 TOHNO, Akihiko)

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